コラム-「オーガニック」という言葉の意味

「オーガニック」という言葉の意味

現在、人の食品業界でもペット業界においてもお客様の健康についての意識が高まり、食についてより安心で安全な無農薬の食材といった意味で「オーガニック」という言葉がよく使用されています。

しかし、そもそも「オーガニック」とは何を意味しているのでしょうか?

実際にはその本当の意味合いを知る人は少なく、「オーガニック」とは無農薬や合成添加物不使用etc....と、なんとなくぼんやりとしたイメージで「オーガニック」という言葉を使っている人も多いと思われます。

そこで改めて「オーガニック」という言葉を調べてみると 「オーガニック」は日本語である「有機」と同じ意味であり、農薬や化学肥料に頼らず太陽や水や土地、そこに住まう生物など、自然の恵みを生かした農林水産業や加工方法を指している、とあります。

また、「有機」という意味を調べてみると、有機とは生命力を有すること。

また生活機能を備え、生活力を有すること。

また、そのもの。

とあります。

つまり「オーガニック」という言葉の根底にあるものは、その考えが広まることにより、人や動植物、微生物などすべての生命にとって平穏かつ健全で豊かな自然環境・社会環境を作り、多くの生き物がたくましい生命力を有し、各々が生活機能を備えた社会と環境を築いていこうという思いであると考えます。

ですから決して化学農薬や化成肥料を使わない食品や無農薬で安全性の高い食品のことだけを指して生まれた言葉ではないということです。

また、私たち人間は遠い時代からずっと豊かな自然環境やそこに住まう動植物、更に視覚では捉えることの難しい微生物と共に共存してきました。

ですので本来の「オーガニック」の目的には、化学農薬や化成肥料、環境ホルモンや遺伝子組み換え技術を避けることはもちろん、出来る限り自然のままの環境を保ち、そこに住まう動植物とも共存しながら健全な社会を目指す意味合いも含まれているのです。

国際的な規模で有機農業推進活動を行っているIFOAM( 国際有機農業運動連盟) では、 オーガニックの原則として「生態系」「健康」「公正」「配慮」の4項目を掲げています。

環境の保全化学農薬や化学肥料を使わずに、水、土、大気を汚染から守り、保存料や着色料などの添加物をできる限り低減し、食品の安全性を確保し、化学的な染料や塗料を使用せず、アレルギーのない生活を目指すことと同時に、自然との共生、自然の動植物の生態系を守り、生物多様性を保全する。

身土不二適地適作・地産地消で地域の文化を大切にする。

※身土不二
仏教用語で読み方は「しんどふに」。これまでにしてきた行いである「身」と、その身が拠りどころとしている環境である「土」は切り離せないという考え方。また東京都立中央図書館のデータベースでは『体と土とは一つである』としている。

社会児童労働の禁止、植民地栽培の排除、南北格差の解消など、人を大切にする社会を実現する。

等も掲げています。

ただただ健康に良い無農薬な食品、合成添加物を使用していない商品という意味だけで広がっているという訳ではなく、もっと広い視野を持って世界のことを考えていこうという、私たちひとりひとりに投げ掛けられている言葉であるということを覚えておきましょう。